ローカルコミュニティ運営者の為のメディア戦略論

この記事はギークハウス Advent Calendar 2016 5日目の記事です。

もともと「地方ギークハウス運営者の為のー」というタイトルのつもりでしたが書いていて割と一般的な内容な気がしたのでタイトル変えました。

 

最初に宣伝、12/18日ギークハウス岡山とギークハウス真庭合同で忘年会やります。
12/17日は岡山のIT界隈名物合同勉強会2016winterもありますので、この機会に県外の方とか遊びにきませんか?
12/18 ギー岡&ギーマニ合同 忘年会|岡山のシェアハウス ギークハウス岡山

さて本題です。

ちょっと前東京で複数ギークハウスを運営しているtokisabaさんが「内見者が親ストップで入居を断念するケースが多い」的なことを投稿されててスレッドが盛り上がっていました。

まあ親の気持ちは分からんでもないですが。

そんな中、ギー岡にはつい先日もこんなことが。


これまでも「テレビを見た親に教えてもらって」という女子大生の入居者もいました。

なぜギー岡は保護者世代に良いイメージで認知されているのか。
それはメディア戦略が功を奏しているからです。

まあ運が良かったというのもあるのですが、一応自分なりメディアに取り上げてもらえるように工夫していることがいくつかあるのでそれらについてギークハウス運営者に共有させて下さい。

オールドメディアほど保護者層にリーチ出来る

今でも新聞やテレビはそういう層に激しくリーチ出来ます。
保護者層への良い印象はもちろん、併せて近隣住民にも理解してもらえるという効果も望めます。これは結構重要で、地方では(都会も?)「不特定多数の人間が出入りしている家」が近所にあることをよく思わない人達や町内会のようなコミュニティがあるものです。
ギー岡はそこまで近隣住民とコミュニケーションととれているわけでもないですが、結構認知はしてもらっていて印象は悪くないらしく、エアビのゲストが近所の人にギークハウスの場所を尋ねて案内してもらって来るなんてこともあったりします。
70歳くらいのおじいちゃんがipadの使い方教えてくれと訪ねてきたことも。

ちなみにいわゆるシニア層への効果が高いメディアは新聞(紙版)>テレビ>新聞(ウェブ版)>越えられない壁>ウェブメディア といった感じです。
そして、取り上げてもらう難易度も概ねこの順番通りと思われます。

取り上げてもらい易そうなことを企画して売り込む(盛る)

まあ当たり前といえばそうなのですが、メディアというのは新鮮なニュースを求めています。
ギー岡の場合岡山にIT系のシェアハウスが出来たということだけでそれなりに話題になったので、テレビやウェブには当初結構取り上げてもらうことが出来ましたが、紙の新聞となるとなかなかそうもいかず苦戦していました。
そこで「日本中のギークハウス同時開催のアプリ開発イベントを岡山初のIT系シェアハウスが主催する。ネット中継もあるよ。」と売り込んだところ、やっと新聞紙面にギー岡のことを取り上げてもらうことが出来たのです。しかも岡山では一番メジャーな山陽新聞に。
「初」「主催」「全国同時」「ネット中継」「アプリ開発」などメディアにフックしそうなワードがふんだんに含まれていている話題性先行型のイベントでした。

実は発案は僕ですがギー岡主催というよりも「ギー岡とギー宿共催」だったし、全国同時といってもそのほとんどは東京だったのです。でも嘘をついているわけではありません。真実に基づき少し脚色して伝えることが大切です。

シニア世代がわかりやすいように説明する(盛る)

先ほど挙げたイベントなのですが、ようするに皆さまご存知ハッカソンなわけです。
ただハッカソンという言葉はシニア層には分かりにくい。なんなら記者さんもあまりピンとこない場合があります。
だからここはあえてハッカソンという言葉は使わず「アプリ開発イベント」で売り込みました。もちろん新聞記事の中にもハッカソンという言葉は出てきてません。ハッカソンの説明だけで数行食ってしまうからです。
さらに今回のイベント、作るものはウェブでもいいし、別にハードでもいいしノンジャンルなわけですがここではあえて「アプリ」という言葉を使います。
アプリという言葉が一番とっつきやすいからです。
シニア層、できればお年寄りでもわかる表現が好まれます。
ウェブサービス」でも「iOSアプリ」でもいけません。「アプリ」です。
取材してくれる方にも分かり易く伝えることが大切です。

大事な所でふわっとしたことは言わない。バシッと伝える(盛る)

ふわっとしたこと、要点を得ないことは記事にしにくいです。目的やゴールも分散しないほうがいい。
言いたいことたくさんあってもシンプルにしましょう。
目的が2つあっても1つは伝えないようにしましょう。
そして言い切りましょう。自分の中でまだクリアになってなくてもいいです。ハッタリでもいいです。数字とか使うとより伝わります。

記者さん、ディレクターさんと良い関係を築く

メディア関係者(特に地方の)はいつも新鮮なネタを探しています。
僕もよく、何かネタあったら教えて下さいねと言われることがあります。
そういう場合全力でネタ提供しますし、頭捻りますし、全力で人も紹介します。
つながりを作ることができれば、また何かの機会に取り上げてもらえるかもしれません。

自分の思った通りの内容にならなくても文句言わない

メディアというのは視聴者、読者に見てもらうためのものです。
視聴率、 PVを稼ぐのが目的です。僕らの思いを伝えることが目的ではありません。
だから自分が伝えたかったことがカットされていたり、自分の意図していなかった方向で表現されることは普通にあります。
ですが全く違う方向に歪曲させられている場合を除き、暖かい目で見守りましょう。
そしてディレクターさん、記者さんにきちんと感謝の気持ちを伝えて継続して良い関係を築いていけるようにしましょう。

本筋から外れますがあるテレビ番組では「ニートという言葉はちょっと・・」とかありました。
おいおいギークハウスの創始者誰だと思ってるんだ。

時間を先方に合わせる

メディア関係の方はみなさん忙しいです。
ですから時間は出来るだけ先方に合わせます。ちょっとした予定なら取材を優先しましす。
時にはクライアントとのMTGをリスケしてもらってでも合わせます。

テレビなんかは特に結構タイトなスケジュールで難易度の高いを要求してきます。
「明後日(平日)12時〜14時くらいにスタートで大体撮影は2-4時間くらいですが大丈夫ですか?住人も4-5人いた方がいいです。」とか・・ 明後日max6時間拘束を4-5人調整だと....はい!大丈夫です!
みたいなことも。


とまあ僕が気をつけているのはこんなところです。

おまえが言っていることはおしなべてメディアの犬になれってことじゃないか!という声が聞こえてきそうですが、そうではありません。
自分がメディアの人間になったつもりで考えるのです。自分が記者だったらこの人取り上げ易いかな?継続して取り上げようと思うかな? 相手の立場に立つという人間関係の構築やビジネスの基本にも通づる視点で考えて行動した結果メディアの犬になるのです。あれ。


今回の話は地方だから可能だという点が大いにあります。
東京だといろいろやりつくされていてちょっとやそっとのことでは話題になりませんからね。
ギークハウス新潟が焼肉やってただけで朝日新聞に載ってたのには吹きました。
最近京都に出来たギークハウス京都東福寺なんかは「ゲーマーが集まるシェアハウス」的な感じで尖っているのでメディアが取り上げやすくていいと思います。

地方のギークハウスがメディアを利用して良いイメージを作り上げ、首都圏のギークハウスのイメージ向上に寄与していきましょうw